2015年9月29日火曜日

第15回「薬」~抗うつ薬の今~

みんくるカフェ大分スタッフのえとう~です。


7月に「第15回みんくるカフェ大分」を別府「バレーナ」さんで開きました。

テーマ 「薬」~抗うつ薬の今~。


・ゲストトーク
・5~6名毎のテーブルでの語り合い
・ランチ
の順で行いました。

 今回のゲストスピーカーは、
大分大学医学部薬理学教室、教授の石崎さんと、
薬剤師の中島美紀さん(キムラ薬局)の豪華2代キャストでした。





 街の薬剤師さんと、大学教授がコラボするという異色の会。



みんくるカフェ大分ならではの、社会と大学が交わる会でした。


中島さん
「薬剤師法に、薬剤師の仕事は、”国民の生活を確保する”と書いている」
「患者さんと距離が近く、例えば抗うつ薬を飲んでいる患者さんの顔色などもチェックできる。この薬が効いているか分かる。」
「薬剤師は薬の何でも屋さん。薬で困ったら何でも聞いて。」
Drには、カバーできない部分を調剤薬局の薬剤師さん達がカバーできるのではないかと思いました。



石崎さんのお話
「うつ病には色々な薬が出ているが、原因は”分かっていない”。」
「うつ病の薬の難しい点は、効果が出るまで2週間かかり、気分が正常になるまで1年以上かかる。他の薬と違って長く飲み続けないと効果が分からない。」
「数年前に、麻薬で使われる”ケタミン”を低濃度で使ってみると、うつの状態から解放され、なんと数時間で効果が出るとの結果に。ただ、麻薬なのでなかなか難しい。」
「1か月前の医学雑誌より。ストレスを加えたマウスは、好きな砂糖水を飲まなくなったという結果に。ストレスを加えると、興味・喜びの喪失=うつ状態になるのでは!!!」
「楽しいという刺激が興味・喜びの改善に!!」
「ケタミンのように薬の開発(お金)も大事だが、原因究明も必要不可欠。ここを大切にしないと。」




テーブルでは、「うつにならないようにするには」などなどたくさんの話をしました。
「楽しいと思える引き出しを増やすこと」
「ハードルを低くするのが親の仕事ではなく、よいタイミングで誉めることが大事。仕事場でも同じ」
各人のうつ病の体験や身近な方のうつ病の経験など、多くの話を伺うことができました。


たっぷり話した後は、お待ちかねのランチ!
「バレーナ」さんの絶品ランチを堪能しました。







 大学に学生として通っている私個人としては、
最後の石崎さんの挨拶が特に印象的でした。
「大分大学では、編成により、僕ら世代の教授が増えてきております。地方大学では、もっと自分たちがしていることを社会に示す必要が出てきました。これは、我々教員が変わらなければいけないです。皆さん、大学を見捨てないで下さい。新しいことを得ましたら、ぜひまた伝えに来たいと思います。今度はぜひ私の研究分野を話させてください。」
と言い、深くお辞儀をしました。

 街の薬剤師さんと、大学教授がコラボし、そこに集まった様々な方々がお話するという今回。
今回も素敵な会になりました。


さてさて、
次回は、10月31日(土)テーマ「【死と生】その人らしい生とは~医療のおける事例を通じて~」
ゲストスピーカーは、ソーシャルワーカーの岡江晃児さんです。
お楽しみに!


今回お世話になった、「バレーナ」さん
http://r.gnavi.co.jp/773ja6sa0000/


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