2014年4月26日土曜日

第3回みんくるカフェ活動報告



お世話になってます。事務局長のだいちゃんです。

4月6日(日)に開催された『第3回みんくるカフェ大分』の報告をいたします。


今回の会場はこちら!!ぶらぼぅファームさんです。





細道に入り、森のトンネルを抜けたとたんに広がる光景に、心を奪われました。


はてさて


それでは今回のテーマ、『賢い患者って?』でした。
報告をして行きます。



ゲストスピーチ

NPO法人 共に生きる 理事長 江藤 裕子 さん
http://tomoniikiru.com/

写真: みんくるカフェ大分、始まりました!
「賢い患者になろう」

止血剤からC型肝炎を患った経験のある江藤さん。
その経験を通して、彼女がたどり着いた、『賢い患者』の条件を教えてもらいました。

①自己管理ができること
②自分の体の状態を正しく表現できること
③医師とうまく関わる、折り合いをつける

まとめると、以上の3点となりました。

江藤さんは言います。

「先生は、心がけがあって今の仕事についている。
この先生は信じられん、と心を置くのではなく、こちらから心に一歩踏み込んで、
わからないことはきちんと聞く。きちんと考えて、治療に乗ること。

そのためには、自分の状態を自分で知っておくことが必要。

『先生、私のカルテ、きちんと見ましたか?』

知っているから、きちんと主張ができる。

また、こういうコミュニケーションを自分から医師と取るようにすれば、そう簡単に医師を変えようとは思わなくなります。また1からコミュニケーションをとって関係を築くことは、大変ですから。」

将来医師を志す私としては、やはり患者さんとは良い関係を築きたいです。
一歩踏み込んでもらえるような、医師になりたいですね。


ワールドカフェ



今回のワールドカフェでは、それぞれのテーブルが共通のテーマ、
「賢い患者って?」を掲げて、ワールドカフェを行いました。

テーブル1(ファシリテーター大ちゃん)

うちのテーブルでは、「昔よりも"患者さん”って賢くなったんだろうか」を皮切りに、
「賢い患者になろう」というテーマに入っていきました。

1stセッション
患者さんは「インフォームド・コンセント」を取れるようになった。
医者の方からセカンドオピニオンを進める場合もある。
インフォームド・コンセントから一歩進んだ「インフォームド・チョイス」という言葉も最近出てきました。
また、参加者としておられた「ソーシャルワーカー」のように、
「患者・家族が言いたいことを言えるように」お手伝いする職業も増えてきています。

ゲストスピーカーの江藤さんは賢い患者の条件の一つに、
「自己管理ができる」という項目を挙げられました。
確かに、「自己管理」のためにできることが増えている、という意味では
「賢い患者」になる環境は整っているのかも、と思いました。

ただ、患者さん個々で見ると「医者の言うことは信頼ならん!」と耳を塞ぐ人もいれば、
「先生にお任せします」とすべてをゆだねる人もいます。
それって賢いのだろうか?という話も出てきました。


2nd セッション
前段の疑問に対しては、「極端なのは、どうもあまり賢いとはいえなさそう・・・?」という話をしました。
確かに、「インフォームド・チョイス」で考えてみると、自分の考えに固執しすぎる、
もしくは全くない、では結局選択できません。

ここで、話は医療コミュニケーションに移りました。
「そうは言っても、お医者さんって話しづらくて・・・」ということですね。
「忙しそうだと遠慮してしまう」という声に皆さん納得の様子。

これについては「特に小児科では、ママともネットワークで、
今も昔も、口コミで評判の良い一人医者のところにみんな殺到する」がヒントのように思いました。
「口コミ→殺到→忙しい→話づらい」という悪循環があるのかもしれません。



テーブル2(ファシリテーターえとぅー)

まず、「医療オタク」について話しました。

情報を集めることは良いが、「これじゃなきゃだめだ」と自分の中で決め付けていて、
他人のアドバイスを聞かない人がいる。

逆に、田舎で働いていた医療者によると、
高齢者は「うん。うん。」という感じで医療者の言っていることをそのままうなづくだけ。
耳が遠いので会話がしづらいことも考えられるが、やはり遠慮している方が多いそうです。
「変わりないですか?」と医師が言うと、「変わりないです」と言い。家族が慌てて訂正することも。

このように色々な患者さんがいる。

次に、かしこい患者についてみんなで考えました。
非医療者:自分の体は自分で治すことが1番。
情報を自分で得て、必要な時に病院に行き、医療者を利用する。

これがかしこい患者の答えかなと思いましたが、医療者の意見は違いました。

医療者:賢い患者になる必要はない。
医療者がどんな患者が来てもその人のニーズをくみ取り対応すべきだ。

医療者・非医療者にとっても、最適な医療を提供する/受けるには、相互に話すことが大事であると改めて感じました。

これからも、もっと多くの方にみんくるカフェ大分に来て頂きたいです。



さて!この第3回を持ちまして、最初のシリーズ「賢い患者」終了となりました。
まだまだ始まったばかりのみんくるカフェですが、参加いただいた皆様、ありがとうございます。

次回からのシリーズは「老いる」を扱っていきます。
人それぞれ、老いる形は違うと思いますが…どんなお話ができるのか、いまからとても楽しみです。


日時:5月18日(日)10:00~(ランチ込)
場所:お気軽健康食堂『すり~む』(大分市上宗方544-1グリーンシティ雄城台1F)
テーマ:『老いるっていつから?』

皆様の参加を楽しみに待っています。




みんくるカフェ大分の公式ホームページはコチラ(今後の予定などを掲載しています)→
http://minclecafeoita.amsstudio.jp/

みんくるカフェ大分への問い合わせはコチラ→
minclecafeoita@gmail.com

facebookもやってます→
https://www.facebook.com/pages/%E3%81%BF%E3%82%93%E3%81%8F%E3%82%8B%E3%82%AB%E3%83%95%E3%82%A7%E5%A4%A7%E5%88%86/604830522920785
    


2014年4月7日月曜日

第2回みんくるカフェ大分開催報告

こんにちは! 代表の衞藤祐樹(えとぅ~)です。

3月21日(金・祝)に『第2回みんくるカフェ大分』が開催されました。

場所 ENGAWA cafe forgeye (大分市顕徳町1-13-17 )というオシャレなカフェ。
テーマ 「医療と社会の壁って何だろう?」
ゲストスピーカー 谷口久枝 医師 (やぐちレディースクリニック院長)
参加人数 27名
司会 Ran

①開会あいさつ(えとぅ~)

みんくるカフェ大分とは?という話をしました。

②ゲストスピーカー(らっきーちゃん)(←谷口先生のあだ名です)


医師であるらっきーちゃんの考える、医療者と患者間で生じる壁の話がされました。

患者は病気による不安、医療者に対する強い期待、病気の知識がなく自信がない。
医療者は使命感にかられている(絶対に治してやる)
この両者の思いの違いが壁を作る。
壁があるのはしょうがない。0にするのは無理なんだから、ある程度分かりあえればいいじゃん!

実は、壁がある方が良いという見方もできる。
壁がないと→同意になってしまう。任せっぱなしになる
壁があると→互いに分かり合おうし、医療者と患者が対等な立場に。

医師であるらっきーちゃんが、「患者さんは、対等な立場で自分で治療法などを選んで欲しい」と言っていたことが印象的でした。

③誕生日列車(Ran)

みんなの緊張をほぐすために、Ranお手製のゲーム!
声と手を使わずに、誕生日順に並ぶというゲームをしました。

④ワールドカフェ(20分☓3回)

テーブル1『医者・医療従事者・学生が世間からどう見られるか(ファシリテーター大ちゃん)


医者と一言に行っても、1年目の新米医師もいれば10年目のベテラン医師もいる。
他の医療従事者の方も、同じことが言えます。

一方で、市民の方には医療従事者なら何でもできるという思いが、特に医師に対しては強いということが語られました。
ある方は獣医さんにインコを連れて行ったときのことを語ってくださいました。
「診られるというから連れて行ったのに、正しい持ち方も知らない。」

できないことを、できないと伝えられるような関係に医療従事者と市民はなれるのでしょうか?
そのあたりのことは、次回4月6日のみんくるカフェで語り合うことができそうです。

私(大ちゃん)が感じたことですが、いわゆる“かかりつけ”の関係になれないということは、 ずっと医者というカテゴリーでのお付き合いをするということ。しかし、これは“達成できない完全性を求められる関係”である以上、医療従事者は期待を裏切り続けます。医療不信というのをまた別の視点で見られました。
また、印象深かった意見として、「医療の壁は必要なところ、必要じゃないところがある。」という意見もありました。
医師とは壁があるからこそ、大切な決断を迫られたときに一瞬冷静になることができる。
逆に、看護師さんや理学療法士さんには、何でも話せる壁がないほうが良い、ということのようです。
これも、「壁のある、なし」という考え方だけじゃないことを知ることができました。

最後のセッションでは、「お医者さんって世間知らずで人間関係が下手よね」という会話の流れから、「それでも医師ってすごいよね。人間関係が下手なのに、夢を追いかけてこの仕事についてくれるんだ。」という声も。
そう言われると、確かに私たちは不思議な人たちなのかもしれません(笑)
「日々におわれて、気がつくと1年がたっていた。このまま、スライドするように6年たって社会に押し出される気がする」 とは、今回初めて参加してくれた医学科1年生の弁ですが、確かに私たち医学生は普通の大学生と比べて毎日勉強に追われているのは間違いないです。
今後、こういうみんくる場所に、彼らが一度でも顔を出してくれることを願います。

テーブル2『サービス業としての医療』(ファシリテーターえとぅー)

・まず「サービス業って何があるか?」を話しました。
→ホテル、飲食店、映画館、JR、美容院など。

・医療も「患者に医療を提供する」ということで、サービス業と言われる。 でも何か違うような・・・。
 「サービス業って何?」
→人とのコミュニケーション。気持ち良くなって帰る。受ける側の利益になる。(嫌な所には行かな い)自分が選ぶ。

・医療と他のサービス業との違いは何か? ここを中心に対話が行われました。
→医療は、不利益を被るケースがあり、特にそれが命にかかわる。(それを提供者から説明されることも)。求めるものが人によって違う。それを提供者(医療者側)が把握しづらい。
産婦人科では、食事の内容などのサービスで、他の病院と比べられるが、例えば外来では親身に相談に乗ってくれたから○○円ということはない。ユースホテルと高級ホテルのように、安いけど手術が遅い、高いけど早いというわけにはいかない。
ここは難しいが、日本では病院によって医療費を変えることは基本的に難しいから、という面が大きい。
同じ値段であるため、患者側はより自分にあったサービスを提供する病院(医療者)を選ぶ必要があり、医療者側は、患者のニーズを把握してその人にあったサービスをすることが大切である。
患者側としては、医療者がいくら良いサービスをしても同じ給料しかもらえない状況を知り、患者側の医療者への配慮も必要なのかもしれない。


テーブル3『行きたい病院ってどんなところ?』(ファシリテーターいとちょー)


■こんな病院には行きたくない(悪い要素)
・待たされる

・診断結果がすぐ出ない、最後まであやふや
・「風邪ですね」と早々に言われる

・医師が患者の話を聞かない
まず参加者の皆さんのネガティブな経験・意見をまとめました。
医者の無責任さや、患者一人一人の置かれている状況への無関心さ。

病気は診るが、その方個人の生活への想像力、配慮の欠如している事が医療に対する悪印象の主な要因になっている、と感じられる

 
一例として、下痢、嘔吐があり、検査を受けに行ったが、「検査結果が出るまで一週間かかるので、不安なら仕事は休んで」と無碍に言われてしまった、というケース。

仕事を休むことの大変さへの無配慮や鑑別診断をする努力の不足によって一番欲しかった「安心」が全く得られずに病院を後にしたという声が聞かれ、医師との関係性の悪化から他病院に転院後、そこの医師から「なぜこんなに多量の投薬が?」と言われた話など、中には深刻な医療不信に繋がるケースもありました。

■では、行きたい病院とは?(良い要素)
・新しくて清潔な病院
・精神的、人間的なサポートがある - ゆっくりと話を聞いてくれる、救われる言葉をかけてくれる - 医療者に笑顔と配慮がある - 自分の事を知っていて、ツーカーで話ができ、家族のフォローもしてくれる
・安心を得られる、患者本人に対して情報のフィードバックがある
・治療に選択の幅がある(ただしいずれを選んでも責任ある治療を受けられる)
・子どもが嫌がらない
・治せる
 次にポジティブな要素ですが、「心」のケアがきちんと為されること、患者の意思を尊重すること、そしてやはり「病気、怪我が治る」ことが挙げられました。
3人のお子さんの嘔吐があり、車から降ろすのも一苦労の中、病院関係者が「お母さん、大変でしたね」と声をかけてくれただけでも本当に嬉しかったというお話など、医師の診察の良しあしよりもその配慮がうれしくてその病院に行くようにしている、というお話がありました。
医療関係者からは、病院を立て替えたところ同じでも患者さんが増えた、という話が出たのに対し、「働いている人も明るい環境になり笑顔が増えたから、患者がより安心できる環境になったのでは」という別の方からの意見も聞かれました。 待ち時間負担の軽減の為、電話、メールなどでの呼び出しサービスがあるとよい、といった具体的な改善案も出ました。

■実際の病院選び(現実)
・近い、空いている
・身近な人の評判
・病院を変えると1からの説明が面倒で最初に行った病院に(嫌でも)通い続ける
・医師への申し訳なさから他の病院への通院、セカンドオピニオンを求める事が難しい  
実際の病院選びでは、事前に「行きたい病院」を選ぶ余地はなく、「整形だったらどこがいいか」など周囲に聞いて、あとは実際に行ってみた結果次第、という状況になっている事、しかもその結果があまり好ましくなくても、選択の余地がなかったり、あっても病院、医師を選ぶことの申し訳なさが先行してしまいずっと通い続けている、という現状が語られました。
■現状を良くするためには(改善)
・口コミサイトなどが広く利用できると良い - 事前に一人の印象ではなく、多くの人の評価を知る事ができれば良い病院が選べる
・医師の通信簿があるとよい - コミュニケーションはCだが腕はA、といった医師の評価がわかれば、自分に合った医師を選びやすい(長年使っている薬の処方箋が欲しい時や急いでいる時は話を聞かない先生でもいい、など)
・医療ソーシャルワーカー(MSW)を活用すると良い - 現状通信簿は難しいが、MSWは多くの医師を患者の視点からみており、相談すれば自分の状況にあった医師、病院を選ぶ助けになる
■講評 多くの方が求めているのは設備面の充実などではなく、人の心の充実である、と感じる回でした。一見すれば簡単な話のようですが、踏み込みすぎればプライバシー問題にもなりかねず、親身になりすぎれば医療者自身の心のストレスが過剰になってしまう危うさもはらんでいる難しい課題です。医療者、患者双方が互いの立場を尊重し、責任を分担しながらよりよい医療者、患者として共に治療をしていければよいと感じました。


テーブル4『センセイって呼ばれるってどういうこと?』(ファシリテーターけんけん)

そして、Let's lunch time!
『ENGAWA cafe forgeye』のダンディーなマスターから料理の説明がされ、みんなで楽しく食べました。
お店の中に愛車があり、射撃場もあるfrogeya。
マスターの夢が詰まったカフェで、楽しいひと時を過ごすことができました。

ゲストスピーカーを引き受けて下さったらっきーちゃん。
お忙しい中、参加して下さった皆様。
そして、frogeyaのマスターと奥様。

本当にありがとうございました。

次回は、日時:4月6日(日)10:00~(ランチ込)
       場所:ぶらぼぅファーム(大分市庄の原2-1)
               テーマ:『賢い患者って?』      の予定です。
皆様の参加を楽しみに待っています。

参加者の声(アンケートより)

・立場の違いから自由に話すというのが楽しかった
・医者と患者の壁の有無に感情が関わっている。それぞれの立場、考え方で違う。
・医師は何でも治せるわけじゃないのにプレッシャー。もっと世間を知りたい。
・日頃聞けない話を、日頃会えない人とできた。
・自分の視点を見直すいい機会になった。




今回ご協力して下さった『ENGAWA cafe forgeye』さんはコチラ→
http://r.gnavi.co.jp/6v0xhkns0000/

みんくるカフェ大分の公式ホームページはコチラ(今後の予定などを掲載しています)→
http://minclecafeoita.amsstudio.jp/

みんくるカフェ大分への問い合わせはコチラ→
minclecafeoita@gmail.com

facebookもやってます→
https://www.facebook.com/pages/%E3%81%BF%E3%82%93%E3%81%8F%E3%82%8B%E3%82%AB%E3%83%95%E3%82%A7%E5%A4%A7%E5%88%86/604830522920785